情報通信・DX支援 × 全社改善・事業開発 × 神戸市の株式会社エヌエスケーケー(従業員数は参照した公式発表に記載なし)の事例
社内の業務改善は、普通ならコスト削減で終わります。
作業が早くなった。
入力が減った。
残業が減った。
株式会社エヌエスケーケーは、そこからもう一段進みました。
社内で続けてきた「毎日1改善」と生成AIによる業務自動化を、会社見学会で地域企業へ公開。その反応を受け、生成AIに特化した勉強会を商品化しています。
公式発表によると、会社見学会の売上は前年比116%。生成AI特化型勉強会は第32期に26社で開催し、売上390万円を生む事業へ育ちました。
社内の工夫を、そのまま外へ売ったわけではありません。
改善を記録し、見せて、相手の要望を聞き、学べるサービスへ組み直した。この順番に再現性があります。
課題:改善しても、担当者の中で終わる
中小企業では、現場の工夫がたくさん生まれています。
表計算の入力を簡単にした。
定型メールを作った。
AIへの指示文を直した。
しかし、改善前の時間、変更内容、使った人の反応を残していないと、他の担当者へ広げられません。
「あの人がやると早い」で終わり、会社の仕組みにならないのです。
外部へ提供する場合は、さらに難しくなります。
自社では当たり前の言葉が、他社には通じない。会社固有の画面やルールを、そのまま見せても再現できない。成功談だけでは、相手が自社で何を始めるか決められません。
まず、改善を誰でも説明できる単位へ分ける必要があります。
なお、参照した公式発表には従業員数の記載がないため、本記事では推測していません。
施策:改善、見学、研修の三段階で商品にする
ステップ1:毎日1改善を記録する
同社は、社内で「毎日1改善」を継続し、生成AIを使った業務自動化も進めました。
毎日という言葉から、大きな開発を想像する必要はありません。
入力欄を一つ減らす。
確認の順番を変える。
AIの出力を人が確認する欄を足す。
小さな変更を、変更前、変更後、確認方法と一緒に残します。
ここで重要なのは、採用した改善だけでなく、うまくいかなかった試行も残すことです。
なぜ使われなかったのか。どの例外で止まったのか。次回は何を変えるのか。
失敗を含めて記録すると、他の人が同じ遠回りをしなくて済みます。
ステップ2:会社見学会で、相手が何に反応するかを見る
同社は、社内DXの成果を会社見学会で地域企業へ公開しました。
これは完成品を売る前の検証になっています。
見学者がどの改善に質問するか。
自社でも学びたいと言うのはどの部分か。
ツールの操作と、運用の考え方のどちらに価値を感じるか。
公式発表では、会社見学会の売上が前年比116%になったとされています。
ただし、この数字を生成AIだけの効果と断定することはできません。会社見学会全体の取り組みと、地域企業からの反応を含む成果として扱う必要があります。
見学会の価値は、売上だけではありません。
相手の言葉で、次の商品に必要な内容を集められることです。
ステップ3:「自社でも学びたい」を勉強会へ変える
見学会の参加企業から、自社でも学びたいという要望があり、生成AI特化型の勉強会を作りました。
第32期には26社で開催し、売上390万円を創出したと公式発表にあります。
商品にする時は、自社の画面をそのまま教えるのではなく、他社でも使える順番へ変えます。
- 対象業務を一つ選ぶ
- 改善前の時間と件数を測る
- AIが作る候補と人の確認を分ける
- 2週間試す
- 結果を記録して次へ広げる
受講後に何を持ち帰れるかも明確にします。
たとえば、対象業務一覧、試行手順、確認表、次の30日計画です。知識を聞いて終わる研修ではなく、現場で試せる形にします。
成果:社内改善が、地域企業向けの売上へ変わった
公式発表で確認できる内容は次の通りです。
| 項目 | Before | After |
|---|---|---|
| 改善知 | 社内の「毎日1改善」 | 会社見学会で地域企業へ公開 |
| 見学会 | 前年実績 | 売上前年比116% |
| 外部からの要望 | 見学会で「自社でも学びたい」 | 生成AI特化型勉強会を商品化 |
| 勉強会 | 新規事業化前 | 第32期に26社で開催 |
| 勉強会売上 | 新規事業化前 | 390万円 |
この390万円は、第32期の生成AI特化型勉強会の売上として公表されたものです。
会社全体の売上増加や利益額ではありません。開催26社との関係も、一社あたり同額という意味ではありません。
数字の範囲を正確に分けることが、事例を自社へ置き換える第一歩です。
なぜ効果が出たか:先に売らず、反応から商品を作った
この事例の強みは、最初から「AI研修を売ろう」と始めていないことです。
自社で改善を続ける。
見学会で見せる。
相手の要望を聞く。
勉強会にする。
顧客の反応が、商品設計の間に入っています。
また、改善が一回きりではなく、毎日続く文化になっています。
研修内容も、過去の成功例だけで止まりません。新しい改善が増えるたび、教材を更新できます。
AIの機能は変わっても、「一業務を選ぶ」「前後を測る」「人の確認を残す」という考え方は残ります。
他の中小企業へ横展開するなら
自社の改善を外販する時は、次の三つを確認します。
一つ目は、自社だけの事情と、他社でも共通する課題を分けること。
二つ目は、成果の根拠を残すこと。削減時間、処理件数、エラー件数、利用者の数を、同じ期間で比べます。
三つ目は、受講後の行動を決めること。説明会だけで終わらず、30日で一つ試す計画まで渡します。
製造業なら改善見学会、士業なら書類整理の勉強会、店舗なら予約や発注の改善会など、業種に合わせて展開できます。
最初は無料の相談会でも構いません。
何を聞かれたか、どこで理解が止まったか、何なら費用を払って学びたいかを記録します。
社内改善を商品へ変える材料は、完成したシステムだけではありません。
試した順番、失敗の記録、測定方法も価値になります。
商品化を急がないための確認
外部提供を始める前に、少なくとも三回は同じ内容を別の相手へ説明し、つまずいた箇所を記録します。
一社だけで通じた社内用語を一般化できているか。紹介した数値に期間と対象が付いているか。AIサービスの料金や機能が変わった時に教材を更新できるか。受講後の質問へ誰が答えるか。
この確認がないと、研修を増やすほど講師の個別対応が増えます。
また、改善事例には、公開できる情報と社外秘を分けます。顧客名、画面、価格、社内の判断基準を、許可なく教材へ入れません。外販の仕組みも、社内改善と同じように、確認者と更新日を決めて運用します。
売上だけでなく、受講企業が30日以内に一業務を試せた割合、継続相談の内容、教材の修正件数を測ると、サービスの品質を見直しやすくなります。
気になる業務があれば、お気軽にお声がけください。
弊社では、中小企業のAI活用・業務システム開発を、改善記録とサービス化の両面から伴走しています。