5店舗の老舗菓子店/拠点会議の交通費と移動時間を月50万円以上削減した話
菓子製造・小売 × 拠点連絡・会議 × 5店舗・従業員数非公開の公開事例

1903年創業の株式会社松栄堂は、岩手県一関市周辺で和洋菓子を製造・販売し、路面店や商業施設内を含む5店舗を運営しています。

同社が使っていた社内連絡の仕組みは古く、簡単な情報共有にも時間がかかっていました。2020年のサポート終了をきっかけに、Microsoft 365を導入。チャットとオンライン会議を段階的に使い始めました。

その結果、盛岡・仙台の営業所から本社へ集まっていた会議をオンラインへ変更し、交通費と移動による時間損失を合わせて月50万円以上削減しました。

豪雪による閉店時刻の変更、店舗ディスプレイの写真、メディア掲載後の注文急増なども、5店舗と営業所へすぐ共有できるようになっています。

これは中小企業基盤整備機構が2021年1月8日に公開した事例です。事例としての学びは現在も使えますが、製品の料金、機能、対応環境は2026年8月時点の公式情報で別途確認が必要です。従業員数は公開資料で確認できないため、規模は5店舗と記載します。

課題:集まることと、伝わることが同じ扱いになっていた

多店舗運営では、同じ情報を同じ時刻に届けるだけでも仕事になります。

天候で営業時間が変わる。

人気商品がテレビで紹介される。

別店舗の売場づくりを参考にしたい。

営業所との会議がある。

連絡が遅れると、店舗ごとに対応が変わります。一方、確認のために毎回本社へ集まると、移動時間と交通費が増えます。

公開資料をもとに状況を会話形式へ再構成すると、次のようになります。実際の発言ではありません。

店舗責任者:「豪雪で早く閉める時、全店舗へ同じ内容をすぐ届けたいです」
営業所の社員:「会議のために本社へ移動すると、その前後の仕事も止まります」
経営者:「若手だけでなく20代から60代まで使える方法でなければ続きません」

問題は会議の回数だけではありません。

連絡、写真共有、予定、会議が別々で、情報を受け取った後の確認にも時間がかかっていました。

施策:使い慣れた道具から、連絡と会議をそろえた

同社は、高度な専用システムを最初から作っていません。

日常的に使っていたOffice製品との近さを重視し、連絡と会議から始めました。

ステップ1:サポート終了を、単純更新ではなく見直しの機会にする

古い仕組みのサポート終了は、同じ製品へ置き換えるだけになりがちです。

同社は、どの業務で連絡が遅れ、どの会議で移動が発生しているかを確認しました。

製品名より先に、連絡、写真、予定、会議という日常の場面を並べています。

ステップ2:緊急連絡を一つの場所へそろえる

豪雪による営業時間変更のように、早く正確に伝える必要がある情報をチャットへ集めました。

電話の伝言では、誰まで伝わったか分かりにくくなります。チャットなら同じ文章を同時に届け、後から確認できます。

ただし、通知だけで終わらせません。緊急時は確認済みの印や返信を残し、未確認の店舗へ別の連絡を行う決まりも必要です。

ステップ3:会議をオンラインへ移し、目的を絞る

盛岡・仙台の社員が本社へ集まっていた会議をオンラインへ変更しました。

会議資料を事前に共有し、決めることと報告だけの項目を分けます。

オンラインにしただけで会議が長いままでは、移動は減っても拘束時間は残ります。開始時刻、終了時刻、決定事項、担当者を同じ画面へ残します。

ステップ4:写真を、他店舗の改善へ使う

店舗ディスプレイの写真を共有すると、文章だけでは伝わりにくい売場づくりを横展開できます。

メディア掲載情報も全社へ届け、通販や店頭の注文急増へ備えます。

写真は撮って終わりにせず、店舗名、日付、狙い、結果を短く添えると、後から検索できる知識になります。

ステップ5:世代別ではなく、業務別に練習する

公開資料では、20代から60代までの社員が比較的短期間で操作に慣れたと紹介されています。

「チャットの使い方」という機能研修だけにせず、「営業時間変更を送る」「会議へ入る」「写真を共有する」という仕事の場面で練習したことが定着につながります。

成果:会議移動を減らし、店舗の判断を速く共有した

公開資料で確認できる変化は次の通りです。

項目BeforeAfter変化
拠点会議盛岡・仙台から本社へ集合オンライン会議移動を削減
交通費と移動時間会議ごとに発生月50万円以上削減費用と時間を同時に削減
緊急連絡古い仕組みで共有に時間チャットで即時共有豪雪時の変更へ対応
売場情報店舗ごとに保有写真を全社共有他店舗の改善へ活用
利用者20代から60代比較的短期間で利用世代をまたいで定着

月50万円以上という数値は、交通費だけではなく、移動による時間損失を含む公開値です。削減前の内訳、会議回数、換算方法は公開されていません。本記事では「交通費が50万円減った」と言い換えず、元資料の範囲を保っています。

また、導入時には補助金を利用しています。現在利用できる制度や対象経費は変わるため、申請前に最新の公募要領を確認する必要があります。

なぜ効果が出たか:一番困る連絡から始めた

多店舗の仕組みづくりで失敗しやすいのは、最初から在庫、会計、生産、顧客管理まで全部変えることです。

同社は、連絡と会議という、効果が見えやすく全員が使う場面から始めました。

豪雪時の閉店変更や会議移動は、導入前後の違いが分かりやすい業務です。

使う理由が明確だから、操作を覚える負担にも意味が生まれます。

導入後は、送信件数ではなく、未確認連絡、会議の移動回数、決定事項の抜けを測ります。使った回数だけでなく、拠点間の行き違いが減ったかを定着の基準にします。

横展開:店舗・営業所・現場が分かれる会社で応用できる

同じ進め方は、次の業種にも使えます。

  • 飲食店:営業時間変更、欠品、衛生連絡、店長会議
  • 介護事業:事業所連絡、研修、勤務変更、様式更新
  • 建設会社:現場写真、安全連絡、工程会議
  • 学習塾:校舎連絡、講師研修、保護者対応の共有
  • 小売店:売場写真、販促、在庫注意、店舗会議

最初の一歩は、直近一カ月の「全拠点へ同時に伝えた連絡」と「会議のための移動」を数えることです。

件数、移動時間、交通費、確認漏れを記録すれば、変える優先順位が見えます。

まとめ:会議を画面へ移すだけでなく、連絡の入口をそろえる

松栄堂の事例では、5店舗と複数営業所の連絡・会議をMicrosoft 365へ段階移行しました。

盛岡・仙台から本社へ集まる会議をオンラインへ変え、交通費と移動時間を合わせて月50万円以上削減。豪雪時の営業時間変更、売場写真、メディア掲載情報もすぐ共有できるようになっています。

成果を支えたのは、最新機能を一度に入れたことではありません。

全員が困る連絡と、費用が見える移動から始めたことです。

拠点間の連絡や会議移動に負担がある場合は、お気軽にお声がけください。弊社では、日常の連絡から始める小さな仕組みづくりと定着を支援しています。

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