この記事の要点
プログラミング不要!Geminiが作るGASでドライブファイル名を一括整理
Google Driveのファイル名を規則に従って一括変更。Geminiが生成したGASで、プログラミング不要の自動化を実現した中小企業の事例をご紹介。
1. 支援前の課題
従業員18名の卸売業D社では、取引先から受け取るPDFや社内で作成する請求書など、多数のファイルを社内ルールに従ってリネームする作業が毎日発生していました。
「取引先ごとにファイル名の付け方がバラバラで、後から探すのが大変」
「命名規則を統一したいが、手作業では限界がある」
「毎日40分近くをファイル整理に費やしている」
同社のファイル命名規則は「YYYYMMDD_取引先名_文書種別_連番」という形式でした。しかし、取引先から届くファイルは「見積書.pdf」「御請求書_山田商事.xlsx」など形式がバラバラで、手作業での統一が大きな負担となっていました。
特に月末の請求処理期間は、1日100件以上のファイルを処理する必要があり、担当者が残業してリネーム作業を行うことも珍しくありませんでした。
2. 行った施策
Geminiを活用して、スプレッドシートとGoogle Driveを連携させたファイル名一括変更GASを作成しました。プログラミング経験のない担当者でも、AIに相談するだけで必要なスクリプトを入手できます。
Step 1:Geminiへの要望を整理
Geminiに以下のような指示を出しました。
「Google Driveの特定フォルダ内にあるファイルを、スプレッドシートのA列に現在のファイル名、B列に新しいファイル名を記入して実行すると、一括でリネームできるGASを作ってください。」
Geminiは数秒でGASコードを生成し、使い方の説明も丁寧に教えてくれました。
Step 2:スプレッドシートへのGAS設定
生成されたコードをスプレッドシートの「拡張機能」から「Apps Script」に貼り付け。初回はGoogle Driveへのアクセス許可を求められますが、ワンクリックで完了します。
Step 3:変換ルールの自動化
スプレッドシートに数式を組み込み、新しいファイル名の一部を自動生成するようにしました。日付は TODAY() 関数、取引先名は別シートからVLOOKUPで取得するなど、入力の手間を最小限に抑える工夫を施しています。
Step 4:ボタン一つで一括処理
スプレッドシートにカスタムボタンを設置し、クリックするだけで対象フォルダ内のファイルが一括リネームされる仕組みを構築しました。
導入のポイント
- Geminiがコードを生成するため、プログラミング知識不要
- Gemini、GAS、Google Drive、スプレッドシートはすべて無料
- エラー発生時もGeminiに相談すればすぐ解決
- ルール変更はスプレッドシートを編集するだけで対応可能
3. 施策後の成果
ファイル名変更にかかる時間が約87%削減されました。年間に換算すると約140時間の工数削減となり、その時間を本来の営業活動や顧客対応に充てられるようになりました。
「月末の残業がなくなった」「誰でもすぐに使えるようになった」「探しているファイルがすぐ見つかるようになった」
といった声が担当者から上がっています。
4. まとめ
ファイル名の変更は地味ながら時間のかかる作業です。しかし、AIを使えばプログラミング知識がなくても自動化できることがこの事例で証明されました。
- AIにやりたいことを伝えるだけ:専門用語を知らなくてもコードが手に入る
- 無料で実現可能:Gemini、GAS、スプレッドシートはすべて無料
- メンテナンスもAIに相談:エラー対応やカスタマイズもAIがサポート
- 他業務への横展開が容易:同じ考え方で請求書処理やデータ集計も自動化可能
「毎日繰り返している単純作業」があれば、まずはGeminiに相談してみてください。思いのほか簡単に自動化できるかもしれません。
この事例で確認した実務ポイント
対象業種: サービス業
支援の観点: 業務フローの棚卸し、既存ツールの整理、現場で使い続けられる運用設計、導入後の定着確認。
同じ課題に向く企業: IT担当者が不在、紙や表計算での管理が限界、AIや自動化を試したいが社内だけでは進めにくい企業。