この記事の要点
【Gemini Gem×資料校正】提案書の誤字脱字・固有名詞チェックを自動化!確認時間を90%短縮した広告代理店の事例
Gemini Gemで提案資料の誤字脱字・固有名詞チェックを自動化。複数人での目視確認を数分に短縮した広告代理店の事例をご紹介します。
導入前の課題
提案資料の「凡ミス」がクライアントとの信頼を損なう
東京都で中小企業向けの広告・デザイン制作を手がけるD社では、クライアントへの提案書やプレゼン資料を日常的に作成しています。しかし、これらの資料に誤字脱字や固有名詞の誤りがあると、クライアントからの信頼を大きく損なうリスクがありました。
特に問題だったのは、クライアント名や商品名などの「固有名詞の誤り」です。「株式会社〇〇」を「株式会社○○」と書いてしまったり、商品名の表記を間違えたりすることは、内容がどんなに良くても「この会社に任せて大丈夫か」という不信感につながりかねません。
実際に発生していたミスの例
- 会社名の誤り:「株式会社ABC」を「株式会社エービーシー」と表記(正式名称と異なる)
- 商品名の誤り:「〇〇プレミアム」を「〇〇プレミヤム」と誤記
- 担当者名の誤り:「田中様」を「田仲様」と誤変換
- 数字の誤り:「2024年」を「2023年」と記載
- 単位の誤り:「万円」と「円」の混在
複数人での目視チェックにも限界
D社では、提案資料は必ず2名以上でチェックするルールを設けていました。しかし、人間の目視チェックには限界があります。
- 40〜50枚のスライドを隅々までチェックするには1人30分以上かかる
- チェックする人によって見る観点がバラバラ
- 納期に追われると「ざっと確認」になりがち
- 同じミスを何度も見落とすパターンが発生
結果として、月に1〜2回は「クライアントから指摘されて初めて気づく」という事態が発生していました。これは会社の信用に関わる深刻な問題でした。
属人的なチェック品質
校正作業の品質は、チェックする人のスキルや経験に大きく依存していました。ベテランスタッフは固有名詞の正式表記を覚えていますが、新人スタッフは「何を確認すべきか」すら把握していないことがありました。
解決策:Gemini Gemで校正チェックを自動化
「Gem」とは何か
Geminiの「Gem」は、特定の用途に特化したプロンプトを保存・再利用できる機能です。一度設定しておけば、毎回プロンプトを書く必要がなく、資料をアップロードするだけで同じ品質のチェックが実行できます。
Gemの特徴とメリット
- プロンプトの再利用:一度作成したプロンプトを何度でも使い回せる
- チーム共有:作成したGemをチームメンバーと共有可能
- 品質の均一化:誰が使っても同じ観点でチェックできる
- 操作の簡略化:資料をドラッグ&ドロップするだけで実行
校正チェック用Gemの構成
D社では、以下のような構成で校正チェック用のGemを作成しました。
導入の手順
実際の使用フロー
現在の運用では、以下のフローで校正チェックを行っています。
- 資料作成者が一次チェック済みのスライドをGemにアップロード
- Gemが数分で全スライドをチェックし、問題点を一覧化
- 作成者がGemの指摘を確認し、修正
- 最終確認として、別のスタッフが目視で内容を確認(ロジックや表現のチェック)
これにより、「単純な誤りの検出はAI」「内容・表現の判断は人間」という役割分担が実現しました。
Gemの校正出力例
実際の検出結果イメージ
以下は、Gemが実際に検出した問題のイメージです(架空の例)。
【校正チェック結果】全43スライド中、8件の問題を検出
固有名詞のWeb検索機能
特に効果を発揮しているのが、「固有名詞をWeb検索して正式名称と照合する」機能です。会社名や商品名は、似たような表記が複数あることが多く、人間でも間違えやすいポイントです。
AIが検出した固有名詞の誤りパターン
- 「(株)」と「株式会社」の使い分け
- 大文字/小文字の違い(ABC vs Abc)
- カタカナ表記のゆらぎ(ホールディングス vs ホウルディングス)
- 旧社名を使用してしまうケース
導入効果と具体的な成果
チェック時間の大幅短縮
Gemを活用することで、校正チェックにかかる時間が大幅に短縮されました。
検出精度の向上
人間の目視チェックでは見落としがちなミスも、AIは確実に検出します。
AIが特に得意な検出パターン
- 全スライドを通しての表記ゆれ(人間は途中で見落としやすい)
- 固有名詞の正式表記(Web検索で照合)
- 同じ誤りの繰り返し(コピペで増殖したミス)
- 全角/半角の混在
- スペースや句読点の不統一
クライアントからの指摘ゼロに
Gem導入後の4ヶ月間で、クライアントから誤字脱字や固有名詞の誤りを指摘されたケースは「ゼロ」になりました。
「以前は月に1〜2回、クライアントから『ここ間違ってますよ』と指摘されることがあり、その度に冷や汗をかいていました。今はGemが最初に全部チェックしてくれるので、安心して提出できます。クライアントからも『いつも丁寧な資料ですね』と言っていただけるようになりました」
― 営業担当(30代)
チェック品質の均一化
誰がチェックしても同じ観点・同じ品質で確認できるようになったことも大きな効果です。
- 新人スタッフでもベテランと同じ品質でチェック可能
- 「チェック観点の漏れ」がなくなった
- 繁忙期でも品質を落とさずチェックできる
- チェック結果が記録として残るため、改善に活かせる
実践のポイントと注意事項
効果的な活用のための3つのポイント
ポイント1:Gemのプロンプトは育てる
最初から完璧なプロンプトは作れません。実際に使いながら「こういう誤りも検出してほしい」「この出力形式が見やすい」といったフィードバックを反映し、プロンプトを改善していきましょう。Gemini自体にプロンプトの改善案を出してもらうのも効果的です。
ポイント2:AIチェック+人間チェックの併用
AIは「単純なミスの検出」が得意ですが、「内容の適切さ」「表現のニュアンス」「クライアントの好み」といった判断は人間が行う必要があります。AIを「下読み」として活用し、人間は「最終判断」に集中する役割分担が効果的です。
ポイント3:チームで共有・標準化
せっかく作ったGemは、チーム全体で共有しましょう。「この観点でチェックすれば品質が担保できる」という基準がチーム内で統一されることで、全体の品質向上につながります。
注意すべき点
活用上の注意事項
- 機密資料の取り扱い:クライアントの機密情報を含む資料は、Geminiの利用規約を確認し、必要に応じてクライアントの了承を得る
- 過信は禁物:AIも100%ではありません。特に文脈に依存する誤りは検出できないことがあります
- 最終判断は人間:AIの指摘が必ずしも正しいとは限りません。「本当に修正すべきか」は人間が判断
- 定期的な見直し:チェック観点が古くなっていないか、定期的にプロンプトを見直す
他の業種・場面への応用
今回紹介した校正チェックGemの手法は、広告代理店以外でも幅広く応用できます。
担当者の声
「Gemのおかげで、毎回プロンプトを書かなくても、ドライブからスライドを選ぶだけで統一されたアウトプットが得られるようになりました。これまで複数人で時間をかけていたチェック作業が、AIが数分で片付けてくれる。チームでも容易に共有可能になり、本当に助かっています」
― デザインディレクター(40代)
「入社して間もない頃は、何をチェックすべきかわからず不安でした。でもGemがあれば、まず基本的な誤りは確実に見つけてくれる。私は『Gemが見つけられない部分』、つまり内容やロジックのチェックに集中できるようになりました」
― アシスタント(20代・入社1年)
まとめ
Gemini Gem×資料校正で実現できること
今回の事例では、Gemini Gemを活用した校正チェックにより、以下の成果を実現しました。
- 校正チェック時間を約90%短縮(50〜70分→18〜25分)
- クライアントからの誤字脱字指摘がゼロに(4ヶ月間)
- 固有名詞のWeb検索照合で精度の高いチェックを実現
- 誰が使っても同じ品質でチェックできる仕組みを構築
- 新人スタッフでも安心して校正作業を担当可能に
中小企業でも実践できる理由
この取り組みは、以下の理由から中小企業でも取り組みやすいものとなっています。
- 無料で利用可能:Gemini(無料版)でGemを作成・利用できる
- 専門知識不要:プロンプトの作成もAIに手伝ってもらえる
- 段階的に始められる:まずは1つのGemから始めて、効果を確認しながら拡大
- 既存業務にそのまま適用:今の資料作成フローに追加するだけ
「資料の誤字脱字で恥ずかしい思いをしたことがある」「チェックに時間がかかりすぎている」「チェック品質にばらつきがある」といった課題をお持ちの企業様は、ぜひGemini Gemを活用した校正チェックをお試しください。
資料校正の効率化にご興味のある方へ
「うちの会社でも使えるか相談したい」「プロンプトの作り方を教えてほしい」といったご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。
この事例で確認した実務ポイント
対象業種: 製造業
支援の観点: 業務フローの棚卸し、既存ツールの整理、現場で使い続けられる運用設計、導入後の定着確認。
同じ課題に向く企業: IT担当者が不在、紙や表計算での管理が限界、AIや自動化を試したいが社内だけでは進めにくい企業。